住宅ローンの前倒し返済の落とし穴

住宅ローンは、『今住みたい家』をタイミング良く購入するのになくてはならないもの。マイホームでの生活を送りながら、無理なく返済でき、豊かな暮らしに役立ってられています。『前倒しで早く返済して利息を軽く』という考えは、低金利時代にあっては様子が変わってきています。前倒し返済の落とし穴についてお話ししましょう。

 

■とにかく早く返済の落とし穴
住宅ローンは長期にわたって返済していく性格のものですし、元金の額も大きいですから、利息分も大きくなります。
2,000万円を35年、金利1.560%の条件では、支払い総額は2,5966857円になります。
同じ条件で5年短縮した30年返済の場合、支払総額は2,5056275円。
20年返済の場合、支払総額は2,3294765円。
100万円単位の支払い金額の差が出ると考えると、見逃せない!という気持ちになってしまいます。
しかし、前倒し返済に燃えて、生活に一滴の潤いもなくなってしまったのでは、マイホームを購入した意味が分からなくなってしまうのではないでしょうか。
2,000万円借り入れの例で、35年返済の1か月の返済額は6万1826円、20年返済の場合は9万7061円です。
ここで知っておいてほしいのは、絶対に払い続けられる最低金額を選ぶことの大切さです。

■初めから短期返済を選ぶ必要はあるのか?
2017年8月現在、フラット35の金利のボリュームゾーンは、9割以下の借り入れの場合で1.12%、9割を超える借り入れの場合で1.560%です。
8月の金利は0.03%上昇したとはいえ、まだまだ低水準を保っています。
車のローンでは2.5%前後がボリュームゾーンで、カーディーラーのローンでは7.8%、クレジットカードの利息でも8%前後、リボ払いを使うと15%にもなります。
カツカツの生活でつい簡単に借りられるローンを使ってしまうくらいなら、余裕のある計画で、無駄な借金をせず、ためておいた方が気持ちにもゆとりができます。
また、人生何があるかわからないのですから、できれば年収くらいの貯蓄は残しておきたいものです。
貯金を手元に残すくらいなら前倒しで返済してしまい…しかし、これは、もしもの余裕のない生活を続けることを意味します。

■前倒し返済の経験があっても滞納は事故
たとえそれまで前倒ししながら返済をしたことがあっても、定例返済で滞納を起こした場合には、事故になります。
返済に余裕のある金額を細く長く返していった方が安全なのではないでしょうか。
ローンの返済滞納を起こせば、任意売却や、競売などになる可能性もあります。
前倒し返済を実行する場合には、その後の生活に支障の出ない範囲でしなければ、その後の支払いに行き詰まることになります。
前倒し返済は、たしかな見通しを持って行うようにしましょう。