中古マンションの価格はどのように決まるのか?

1.中古マンションの価値はどのように決まるのか?

不動産の広告やネットの物件サイト等を見ていると、最寄駅も、その駅からの距離も、また部屋の広さもほとんど同じなのに、価格がかなり違う!  なんて事も結構あります。
どうしてこのような価格の差がでるのでしょうか?

新築マンションの場合は4つの要素の合計で決まります(下図参照)が、中古マンションの場合はこれとは違う、新築とは違う評価方法でその価格が決まってきます。

             (新築マンションの価格の内訳)

ツカモトです

販売会社の利益が一番多く占めるの?

大谷です

価格に一番占められるのは土地代と建築費用ですね!

中古マンション価格の決定方法

1.外的要因と内的要因

中古マンションの価格は大きく分けて外的要因と内的要因があります。
この2つの要因を基にした計算方法で最終的な売買価格が決定してきます。
では、この外的要因と内的要因とはどんなものなのかみていきましょう。

(1)外的要因
外的要因は大きく3つに分けられます。

①経済的要因
これは、経済状況により高くなる場合がある時と、安くなる時があるというものです。
例えば本来であれば今年開催される予定だったオリンピック。
オリンピック開催の為に各施設を建築しなければならないため、土地価格の上昇や建築資材の高騰、人材不足による人件費の高騰などで建築費(リノベーションも含む)が上がったりする事です。
②社会的要因
地盤沈下等により、ある地域の地価下落が発生したり、逆に新しい駅が出来たりして、その地域が発展するようになり地価が上がる場合です。
③内的要因
行政による住宅ローン減税の拡充や、それぞれの自治体独自で打ち出す「住まい給付金」政策などで、その地域で購入希望者が増えたりすることです。

(2)内的要因
内的要因は大きく2つに分けられます。

①地理的要因
お部屋の所在階数や方位、角部屋かどうか等、直接居住性に関する事項です。
また、交通の利便性や、周辺の生活施設などの本来の意味での地理的要因です。
②物件独自に起因する要因
物件の築年数や立地(角地にあるとか、接道条件など)やマンション自体の共用設備状況、また部屋の広さや間取り、室内設備などがこれにあたります。
そしてこの要因の中で一番大きな要因となるのが管理体制となります。中古マンションの場合、この管理体制が特に重要になり、詳しくは「マンションは管理を買え!」をご参照下さい。

2.価格の決定方法

中古マンションの価格算定方法は大きく分けると「取引事例比較法」、「原価法」、「収益還元法」の3つがありますが、現在ではほとんどの場合「取引事例比較法」を用いて価格を決定しています。

①取引事例比較法
取引事例比較法は、前述した外的及び内的要因を基に、販売物件と条件が似ている物件の成約事例を参考にして価格を決める方法です。
例えば、同じ駅にある同じような広さがある物件の成約事例価格100として、実際に販売するマンションがその物件と違う事柄をプラス又はマイナス加算していく方法です。
販売物件は角部屋だからプラス5、北向きだからマイナス5、フルリフォームしているからプラス10、まったくしていないからマイナス10など、各項目を比較しながら計算していき、最終的に販売価格を決定していきます。
それに加え同じマンションで同じ広さの部屋でも所在階や向きによって増減しますので価格差が発生してきます。
②原価法
原価法というのは、建物をもしいま建て替えた場合に幾らになるかという価格をまず算出し、そこから物件の築年数に応じた減価修正をして販売価格を決める方法です。
しかしこの計算方法だと、戸別要因が全く反映されず実態価格とはかなり相違する事が出てくるため、現在ではあまり採用されていません。
③収益還元法
収益還元法は、その部屋を賃貸に出した場合の家賃利回りを考慮して価格を決定するもので、この方法は主に収益物件(自分で住まないで賃貸で貸す事を目的として購入する物件)に採用される価格決定方法となります。

ツカモトです

周辺の取引価格が重要なんだね!

大谷です

そうなんです!だから人気のある地域は高くなるんですよ!

2.自分のライフスタイルに合わせて物件を決めるのが重要!

このように中古マンション価格はあらゆる理由が加味されて決定してきますが、どんな物件を購入するのが良いかと言うと、自分(家庭)のライフスタイルに合った物件を購入するという一言に尽きます。
単身者でビジネス中心の生活を送る人であれば、勤務先に通いやすいとか、帰りが遅くなっても終電が遅くまであり帰りやすい立地の物件が良いでしょうし、子育てを優先して住環境が良い所を考えるなら、都心部よりも少し離れた地域が選択肢となるでしょう。

そして何よりも大事なことは「住み心地」です。
家族構成に適した広さと間取りなのか、室内の設備は満足できるものなのか、スーパーやコンビニなどの生活に必要な商業施設はあるのか等々、実際に自分が住んだ場合に住みやすいと感じるものでなければ、購入後に後悔する事になりますので、実際に現地に行って物件だけでなく周辺の環境もしっかりチェックする事が大切です。

このように、中古マンション価格は、築年数、立地などの基本的情報と、住み心地という、購入者によってその感じ方が千差万別な感覚的部分も加味されて決定してきますので、要はあなたが実際に内覧して、周辺環境もチェックして良さそうだと思った物件を選択する事です。

3.相場より安いからといって飛びついてはいけない!

昔から、「不動産に掘り出し物はない!」と言われるように、特別な要因が無い限りは確かに本当の意味での掘り出し物はありません。
売物件を探していると、時々他の物件と比べてあきらかに安いという物件がありますが、そういう物件は安くなる何らかの要因が必ずあります。
代表的なものでは、心理的瑕疵(その部屋で過去に人が亡くなったり、事件があった場合など)がある場合です。この様な物件は当然周辺相場に比べてかなり安い価格で販売されます。
そういう事を一切気にしないという方は逆に言えば狙い目となりますが、貴方はどうでしょうか?

また、心理的瑕疵がなくても再建築不可などの理由により住宅ローンが使えない物件も当然価格は下がります。

ただ、この場合は現金で購入する事は出来ますので、資金的に問題のない方はあえてこの様な物件を選ぶのも選択肢の一つとして有りです。

人生最大の買物と言われるマイホーム。
後悔しない為にも現地を自分の目で見て、自分のライフスタイルに合った物件を選んでください。